司書教諭免許状取得への道【結果】

ようやく司書教諭の結果が出たので報告がてらつらつらと書いていこう。

自分の子供に絵本を読み聞かせを続けていると、子供がどんな本に興味を示すのだろうと気になってくる。本屋だとラッピングされていて中身を見ることができない。図書館なら小型本から仕掛け絵本から大型本から紙芝居まで多岐にわたって置いてある。子供がどんな本を手に取るかに興味が沸いてきて、図書館に行くようになった。

大倉山中央図書館は1日過ごすのに楽しい。子供コーナーも充実している。
名谷図書館はリニューアルされて美しく清潔感がある。絨毯の紙芝居コーナーは娘も息子もお気に入りだ。
西図書館は最高に大好きだ。娘のピアノ発表会もしたことがある。いつ来ても学生が真剣に学びを展開していてうらやましい。自分が学生のころだったら、ここで学習したのだろうか(いや確実にしていない、遊んでばかりだったから)。
須磨図書館はこじんまりとしているが子供も多くて安心感がある。
北図書館の子供コーナーもなかなか良い。ただ、坂道を歩くのがしんどいのが難点だ。
灘図書館は高校生のときによく行っていた。通学の帰りにふらりと寄っていたが、もう20年以上いっていない。
三宮図書館も学生の頃によく行った。ここは年齢高めの人たちがいるイメージだ。来るたびにエエ生活やなぁって思う。
北神図書館はカフェかよ~って思うくらい雰囲気最高の図書館で、ここも大好きだ。
垂水図書館は子供コーナーが充実している。役所と隣接しているので利用者も多い。
芦屋図書館は昔々に芦屋市民だったころに通っていた。ここは解放感がハンパない。大好きな図書館だ。

さて、こうやって図書館に頻繁に子供と足を運んでいるとひとつ問題が出てくる。それは、自分の本を探す時間がないってことだ。子供を放置するわけにもいかないし。ちょっと待っててねって、自分の本を探すのも気がそぞろになって無理だ。良い図書館はたくさんあるのに、一人ゆっくり見ることがかなわないのだ。実に残念だ。

神戸市立図書館ネットワークサービス(K-libネット)を活用して、ネットで取り寄せることもとても利用している。これは目的の図書を家の近くまで運んでくれるサービスだ。最高のサービス。無料。予約も延長もできる。最高。

だけれど、本に偶然に出会うということは起こらない。

図書館に行って期待する第一位はこれ。思いもよらぬ本に偶然出会うことだ。娘たちと図書館に行くと、一人で見る時間がないので偶然に出会うことはほとんどない。K-libネットを利用すると、狙い撃ちで検索するので偶然に出会うことは、やはりない。

ここ10年くらいはこうやって図書館との関りが増していった。


しかしだ。これだけ公私に渡って図書館を利用しているのに、図書館のことをぜんぜん知らなかった。本当に何も知らなかった。学校現場でも図書館司書が全校配置となり、司書との関わりが増えてきた。たくさんの学校図書館司書と話をする中で、見えてきたことがいくつかあった。

一番に挙げられるのは、学校図書館司書が持てる力を十分に発揮できていないことだ。図書館の運営だけで終わってしまっていることが多いのだ。司書と話せば話すほど、本当はもっと生徒のため、先生のため、地域のために図書館を活用してほしいと願っていることが分かった。

学校図書館司書が前に立って指導をバリバリできるのかと言えば、これは学校にもよるが難しいのが現状じゃないか。もちろん整った環境がある学校や、文教地区なんかは該当しないだろう。そうでない学校はまだまだ多く、図書館の本を整理し、日々運営するだけで精一杯。他校と兼務している場合もあり、余裕のある仕事とは言い難い。

そんな厳しい現状において、学校現場で先生達に混ざって教育活動を進めていくためには、図書館を理解し、学校図書館司書とともに手を取り合って働こうとする意志を持つ人間がいるかどうかが重要だ。

その役割を「司書教諭」が担っている。

そう考えると、司書教諭はむちゃくちゃ大切なポジションだと思う。パイプ役がいるかいないかで教育活動に大きく影響するからだ。本当は、学校図書館の館長である「校長」が声を大にして図書館の利活用を叫ぶのが手っ取り早いのだけれど。

ようやく学校図書館の重要性が認知されてきて、国も地方も動き始めたところだ。一方で、予算がなかったり、学校司書が全校配置されていなかったり、図書活動としての朝読書がなくなったり、特別支援への配慮がなかったりと、本当に課題は山積している。それはもう富士山のごとく高く積もっている。

なにか少しでも自分ができることはないかと考えたときに、司書教諭の免許を取得しようと思いいたったのだった。

司書教諭の免許を取得するために必要な科目は以下の5つ、各2単位合計10単位となる。

学校経営と学校図書館
学校図書館メディアの構成
学習指導と学校図書館
読書と豊かな人間性
情報メディアの活用
(文科省よりhttps://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/dokusho/sisyo/1349638.htm)

教科書は6冊あった。これを読み、理解していくのだが、時間との戦いだった。資格の取得だけなら、教科書の上っ面だけを読めばいい。だが、それは困る。実際に働くときに理解が浅ければ、たちまちそれは自分以外に迷惑をかける可能性がある。それは避けなければならない。ノートしながら読むだけでは理解は不十分で、図書館に通って、参考文献を拾ってくることもした。

短期集中で3ヵ月くらいは、司書教諭のことばっかり考えていた。学べば、見えていなかったことが見えてくる。学べば、分かっていない自分が分かる。だから、もっと学ぶようになる。

さて、教科書を中心として学んでいき、課題として出されていたレポートの評価で単位取得の可否が出る。どれも一癖あるレポート課題で非常に苦しかった。

仕事から帰宅して、家事育児をして、子供を寝かせてから寝落ちしそうになる自分をビンタしながらレポートに挑むのだ。苦しい。結構余裕を見て計画を立てていたけれど、絶対に単位を落としたくないと考えていたので必死だった。

だから、週末は深夜まで読み、書いていた。だけれど、これはだめだ。翌日に、その文章を読むと支離滅裂。睡眠はクソ大事だと改めて分かる。それなら子供と一緒に21時に寝て4時に起きたほうが1000000倍良い。週末の早起きはダイヤモンド並みに価値がある。早朝4時から午前10時くらいまで思考が出来れば6時間。上出来だ。

だらだらと書いてきたが、資格の結果としては5科目ともA評価だった。ほっと一安心。結果を見たときは「よかったぁ~」と声が出たくらいだ。結果の出る学びをするのは久しぶりだった。

生徒たちに言っているようなテスト勉強の仕方を、久しぶりに自分で実践した。一番の敵は眠気。二番目は不意の出来事(子供が遊ぼうと寄ってくるとか、うんち漏らしたとか、ちょっと手伝ってーとか、予定を実行しているときに遮られること)だ。誰にも邪魔されずに、独りで、延々と学べる環境を作れるかどうかってのは大事だなぁ。

2023年内に結果がひとつ出たことはとても喜ばしい。