私たちはなぜ犬を愛し、豚を食べ、牛を身にまとうのか メラニー・ジョイ
タイトルはすんげー面白そうだったのでわくわくしながらページをめくった。が、結局はヴィーガンの話に終始した。
我々は豚や牛を食べる。屠殺して、綺麗にパッケージ化されて、それを買い、動物の死を意識することなく日々口に運ぶ。それってどうなのって言う話。晩御飯に出されたすき焼きを、食べてる途中に「それゴールデンレトリバーの犬やで」と言われたら食べないでしょって話。
そりゃまぁ食べない。それは日本人の文化だからってのが一番大きいだろう。ヴィーガンが犬は食べないのに、なんで豚は食べるんだ!と声高に言っていたら韓国人が「いや犬も食うよ」って言われて尻尾巻いて逃げたとかいう笑い話があるが、まさに食とは文化だと思うのだよな。
鯨を食う、納豆を食う、干物を食う、馬を食う、クマの手を食う、蜂の子を食うとか、もう文化でしょう。肉食主義(カーニズム)であることを自覚したまえという筆者の主張は分かる。見て見ぬふりしているのも分かる。屠殺から離れれば離れるほど、罪悪感なく食べることができるのも分かる。
じゃあ、肉食を辞めますかって話になると、それは可能かも知れないが、そういう食文化で育っていないのでほとんどの人が無理だろう。じゃあ、昆虫食はどうなるんだってことにもなってくる。
ヴィーガン対カーニズムにならないような教育は必要であるが、どちらも行き過ぎた考えでバチバチに対立しがちなのは愚かだなぁとは思う。