あなたのための短歌集

自分の本棚にある詩集や歌集をザーーっとリストアップしてみると、

ランボォ
谷川俊太郎
ボードレール
中原中也
寺山修司
高村光太郎
萩原朔太郎
島崎藤村
笹公人
草野心平
石川啄木
永井荷風

本棚を眺めながら書いたけれど、意外と詩集歌集を持っていたので我ながら驚いた。30年間で気になっては買い、読み、理解不能でまた悩み、買い、読みの繰り返した結果だ。人生の途中から、買ってまでじっくり読むぞーという詩集探しに時間を割かなくなったのは事実だ。詩集歌集に対して興味関心が高くない、それが自分だ。うーむ。

余談だが中学生のころに初めて買ったのがランボォだった。B’zのHOT FASHIONという曲の歌詞に出てくるのだ。「ランボォ詩人になって星を眺めたい♪」当時の自分はこの歌詞を見て「ランボーってなんやねん、怒りのアフガンのことか?いや、流石にそれはないやろ」ってことで図書館へ行き、ランボォの詩集に出会う。こんな世界があるのか、理解できない言葉への畏怖というか、憧れというか、己の未熟さというか、恥ずかしさ、照れみたいな、そういった複雑な感情が沸き起こったことを覚えている。13歳には激アツな出会いであった。

それから、教科書にはおなじみの谷川俊太郎。絵本の翻訳もしているし、気づけば谷川俊太郎はあちこちにいるのだ。さすがである。

他の詩集歌集は大学生の頃に通っていた古書店の店主がこれもあるから買ってってーって勧められたものが多い。パラフィン紙のムッチャ古い本なので、誰が買うねんみたいなのを大学生に売りつけるなんて悪い店だ。

詩集歌集の中でも特に好きなのは草野心平だ。蛙の詩人なんて呼ばれる。野口芳宏先生の「青イ花」の授業が好きでよく読んだ。

さて、そんな詩集歌集には恥ずかしながら専門外で、ましてや現代短歌ともなると教科書レベルしか分かっていないのだが、今回はとっても素敵な一冊に巡り合えたので紹介を。

木下龍也さんの「あなたのための短歌集」木下さんが読者からお題をもらってそれに返事をしたものを集めた歌集である。お題を出した人だけに分かる短歌というコンセプトなのだが、不思議なことにこれって俺宛に書いてくれてるやん…とか、共感する〜みたいな歌とか、ああ、涙がこぼれちゃいそうみたいな歌とかが多くて本当に素敵だ。

700首以上を作ったようだが、掲載されているのは100首+1首だけである。続編も出して欲しい。

歌の内容は手にとって読んで欲しい。あとがきも含めて最後の最後までぜひ読み進めると、あぁ〜あああぁ〜おーおぉおとなること間違いなし。