ICT機器とGIGAパソコン使えば使うほど

学校のICT化は進んでいっている。遅々としてだが、確実に進んでいる。
特にコロナ禍で前倒しになったGIGA構想で、一人一端末は完了した。一方で急ぎすぎたおかげで生徒も教師も、道具はあれどいかに使うかに迷走する日々が続いている。高校と中学校、小学校ではその差は大きい。

今回は授業で使用するパソコンについて思うことを少し。

1.パソコン操作に大きな差があるので、できる生徒はもっとできるようになり、できない生徒はとことんできない状態が続く。

例えば中学1年生で、パソコンの操作が苦手な場合、4月中にそれを克服しておいた方が良い。なるべく自宅でも触って、操作をスムーズにする練習をしておく必要がある。

これは大きな問題だ。小学校からGIGAパソコンは支給されているが、操作を全員ができるようになるまで指導することはない。と言うか、そんな指導をする時間的余裕はない。家庭の教育力に拠る部分が大きい。

ICT機器に触れさせたくない保護者にとっては、本当にたまらない状況だろう。かく言う自分も同じ立場だ。

2.学校の授業が電子黒板やパソコンを使う率が相当高くなってきている。

長時間スクリーンを見続けるわけだ。黒板とノートで授業をし、視聴覚教材の活用でモニターを使っていた時代と比較して、生徒の集中力、思考力、定着度は下がっているように感じる。これはあくまでも体感だ。

中学校では学校生活の大部分でスクリーンを見つめる授業が行われている。教師側としても生徒に視覚的に情報を訴えられるし、授業構成もパワポで作っていて計画的に進められる。一見良さそうなことばかりに思うのだが、生徒側にはデジタル情報がパッパっと画面に映し出され、脳内に刻み込まれることが少ないのではないか。

黒板にチョークで書いて、ノートに鉛筆で書いていた頃とは明らかに違う脳の動きがあるのではないか。

以上2点がICT機器及びGIGAパソコンって使えば使うほど馬鹿になるんじゃないかと危惧していることだ。

ノートに書いて思考する良さは、思考の速度を遅くできることにある。じっくり、ゆっくり考えて脳を動かす。このことが脳を活性化させ、記憶を定着し、思考を豊かにする。

一方でICT、パソコンは即時反応、書きながら考えることの不自由さ、反応の速さは、利点のように思えるが教育的にはマイナスに作用する。

ICT大好き、パソコン大好きおじさんだった自分が、こんなことを言うのもなんだが、この二つを進めるのはよくよく考えた方良いと思う。やっぱり小学生、中学生には早いよ。高校生くらいなら、まだ活用もできそうだけれども。

脳が未発達の小中学生は、ノートが基本。パソコンや電子黒板はあくまでも補助であり、メインにしてはいけない。これらは文房具であり、主軸になってはいけない。

計画の前倒しで始まったGIGA構想に全乗っかりで、授業形態をすっかりICT化しちゃうのはおすすめしない。

自戒を込めて。