大倉山中央図書館へ
図書館は偉大だ。本屋では出会えない類の書籍と出会えるからだ。そして、読書をしている人と出会えるからだ。
本屋では出会えない類の書籍とは、取り扱いのスペースの都合上仕方がないことなのだが、なにせ関連書籍の揃い方がエグい。あれもこれも読みたくなる。横を見ると、また別の書籍がずらり。出会い系サイトのようなもんだ。次から次へと目移りしてしまう。最高の場所だ。
読書をしている人と出会えるというのは、本を読む動機にもなる。自分がいかに未熟であって、本を読んでいないかを思い知らしめてくれるものだ。どんな本を読んでいるかは分からない。しかし、刺激を与えてくれる。こんな小さな子どもが!こんなおじいちゃんが!こんなおばさんが!最高の場所だ。

大倉山中央図書館は小学生の頃に頻繁に利用していた。中央体育館で武道の習い事に通っていたからだ。とはいっても、当時、自分の家はマンガ禁止であったために、主にマンガを読み漁るために大倉山中央図書館へ行っていたのだ。
もう30年くらい昔なので、置いてあるマンガは手塚治虫、白土三平、石ノ森章太郎、水木しげる、横山光輝、松本零士の作品だった。これを読みふけるわけだ。借りて帰ると、マンガ禁止の我が家では叱られるので、集中して読む。実に楽しい経験だ。
後に、手塚治虫だけはOKになったのでマイナーなタイトルばかり買って集めたっけ。
そんな素敵な空間に娘を連れて行くのだが、やはりその巨大さにテンションが上がるようだ。しかし幼児には施設が大きすぎて、とにかく目に入るものに飛びついて、その場所で1時間以上過ごす。もっと奥にも絵本があるのだが、スタート地点からほとんど動かない。
この前からハマっているのは点字絵本だ。視覚障害用の絵本なのだが、これが興味深い。絵も点で表現されている。まったく、そのまま絵のラインが点になっているわけではない所が面白い。五十音図の点字もあり、勉強にもなる。娘はなぜ点字なのかを聞いてくる。そういう人もいるのだということが分かる。我が家の犬も目が見えなくなっているので、少しは理解したのだろう。
なにせ図書館だろうと本屋だろうと、娘は読み聞かせをとてもせがむ。そしてよみじ始めると終わりが見えない。めんどくさいのだが、今だけだと思って読む。こういう時間が大事なんだろうな。大倉山中央図書館はゴロゴロできるスペースもある。そこで娘と本を読む。しかし、そこに酔っぱらいのおっさんが寝ているときがある。これには参る。
コロナ禍以降に設置されたのか、本を除菌する設備がある。書籍をいれるとペラペラとページがめくられて除菌される装置だ。時代だな。
そんな最高に素敵な空間である大倉山中央図書館は、暇だなぁーって人にはおすすめである。学ばなきゃ!って焦らせてくれるしね。